「Little my me」誕生秘話

めろうの~つ
読み上げ1(1分34秒・アバターボイス VOICEVOX:雨晴はう)

こんにちは、Akkarinです。

わたしたちのユニット「めろうの~つ」という名前は、2025年9月20日に、Discordで話しているときに生まれたものですが、「Little my me」の歌詞(第1稿)は、その2日前の9月18日の朝6:05に書き上げました。

この日、たまたま朝4時前に目が覚めて、何気なくDiscordを見ると、Chapeauちゃんがブチ切れていたのです(笑)。その原因は、そのまま「この曲が作られる経緯」に繋がる話なので、この後で書いていきますが、4時前に目が覚めて、怒りや悲しみ、やるせなさみたいな感情が生まれたことで、わずか2時間、文字通り一気せいに書き上げたといっても良いでしょう。自分でもびっくりしました。

この歌詞をChapeauちゃんに渡した翌日、早くも仮歌が入った状態で、1番のAメロ、サビまで出来上がってきました。その後、Chapeauちゃんの提案でBメロを追加し、その曲に合わせて歌詞を追加したり、構成を少し変えたりして、アレンジを含めて曲が完成したのは10月11日のことでした。

基本的には詞先で生まれた曲ですが、部分的に曲先で歌詞を当てはめたところもあり、また、タイトルの「Little my me」は、hoyoyoちゃんがつけてくれたので、めろうの~つ最初の曲を、3人の合作スタイルで作れたのは本当に良かったです。

さて、それではこの曲が生まれた背景をお話ししていきましょう。

読み上げ2(2分26秒・アバターボイス VOICEVOX:雨晴はう)

以前から「3人で何かやりたいね」という話は出ていたものの、遅々として進まなかった「音楽ユニット結成話」が、ようやく少し具体的に「何かやろう」という雰囲気になってきたのは8月頃でした。

Chapeauちゃんは数年前に、ドラクエ10を通じて、ゆうみさん(Utopianさん)というすばらしい音楽プロデューサーとを得たことで、「Metronome Core」というユニットを結成し、アルバムを2作品リリースしていましたが、それとは別のアプローチでの音楽活動を考えていました。

Chapeauちゃんは、楽曲のアレンジ(編曲)が不得手だという思いがあって、きちんとした曲を世に出すには、協力してくれるアレンジャーとボーカリストが必要だと考えていました。ゆうみさんは多忙な中、Metronome Coreの全楽曲のアレンジを担当され、本当に素晴らしいアルバムに仕上がったのですが、とにかく彼女は多忙なので、そんな中、またアレンジをお願いするのは心苦しいという思いもありました。

実は、そのアルバムを出す何年も前、Chapeauちゃんがドラクエ10を遊び始めるずっと前に、音楽活動をしていたことがありました。その当時の仲間は、長年音楽活動をしているので、アレンジやボーカルをお願いできないかということで、久しぶりに連絡を取ってみることにしたのです。

その話が出たのが9月17日の夜でした。そして、翌朝わたしが目覚めてDiscordをのぞくと、冒頭で書いたように、Chapeauちゃんがブチ切れていたのです(笑)。

その音楽仲間の人たちは、別にChapeauちゃんの協力依頼を断ったわけではありません。話には乗ってくれたということでした。それでは何が起きたのか……

わたしたち3人にとって、3人が出会うきっかけとなったドラクエ10というゲームは、まさに格別の存在です。このゲームがなければ知り合うことも、一緒に曲作りをすることもありませんでした。このゲームには複数の種族があるのですが、中でも「ドワーフ女性」、通称「どわこ」が、3人に共通する種族であり、ゲーム内での一種アイデンティティでもあります。この「どわこ」という種族で冒険するプレイヤーは、何か一種の連帯感みたいなものがあって、種族を通じて仲良くなることも少なくありません。

ゲーム「ドラクエ10」での、わたしたち3人。めろうの~とのアバターキャラクターは、ご覧の通り、ゲーム内のキャラクターをモデルとして、イメージカラーなどを含めてデザインしています。

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読み上げ3(1分26秒・アバターボイス VOICEVOX:雨晴はう)

その「どわこ」のことを、かつての音楽仲間の人たちが、ひどくけなしたのだといいます。話を聞く限りでは「ちょうしょう」に近いくらいまで、馬鹿にされたそうです。

大前提として、ドラクエ10で知り合った3人のユニットですから、何も一緒にドラクエ10を遊べとまでは言わないまでも、そのゲームに対して一定程度の理解を得られなければ、一緒に何かを作るなんてことは不可能です。価値観がかいしすぎた人たちとでは、とても曲作りなどできないでしょう。

結果、Chapeauちゃんは激怒し、彼らとは絶縁したそうです。

3人のユニットで楽曲作りをするため、アレンジやボーカル面で協力をお願いしようというのが話の発端だったので、それが壊れてしまったら、この話自体も振り出しに戻るところだったはずです。

ところが、そうはなりませんでした。

この話を、早朝に寝ぼけまなこで目にしたわたしは、まだ早かったのでもう少し寝ようとは思ったものの、眠れませんでした。彼らがあざけった「どわこ」という存在。これは自分たちにとって何なんだろうと、考え始めてしまったのです。Chapeauちゃんが彼らに言われた言葉を伝え聞いて、なぜこれほどまでに、わたしまでもが「怒り」を覚えたのか。どうして「悲しみ」までもが襲ってきたのか。

読み上げ4(2分2秒・アバターボイス VOICEVOX:雨晴はう)

オンラインゲームって、とても特殊な世界です。おそらく遊ばない人にとっては理解の及ばない世界でしょう。通常、オンラインではないゲームでキャラメイクして遊んでも、そこまで自分自身のキャラに思い入れを持つ人は多くないように思います。なぜなら、プレイヤー自身の言葉で話さないからです。

オンラインゲームはチャットがあり、ゲーム内のフレンドやチームの人たちとチャットでコミュニケーションをとります。チャットしているのはプレイヤー自身ですが、その言葉を発するのは「ゲームの中の自分」です。プレイヤーとゲーム内の自キャラが同化していくのです。

ゲームの中の主人公、「わたし」がキャラメイクした「あなた」は、一体誰なんだろう?

どういう存在なんだろう?

なぜ「あなた」が楽しいと「わたし」も楽しいんだろう?

なぜ「あなた」が悲しいと「わたし」も悲しいんだろう?

そんな考えをめぐらせるうち、歌詞として言葉になっていきました。

「あなたはわたし わたしはあなた」
「ふしぎな関係 おかしな光景」

わたしは「どわこ」のキャラクターを作って、12年もの間、ともに過ごしてきました。これほど長いと、もう、わが子でもあり、親友でもあります。他人から嘲笑されたくらいで、この「愛」は消えません。

「Little my me」は、一言で表すなら「自キャラ愛の歌」です。歌の主人公は、モニターの前でゲームして、「あなた」と一緒に冒険を楽しんでいる「わたし」。だから、あえて「スイッチオン」「パスワード」「画面の中の」といったメタなキーワードも入れてみました。

このように、歌詞はできたものの、タイトルは本当に悩みました。hoyoyoちゃんが提案してくれた「Little my me」=「小さなわたしのわたし」。これ以上ぴったりなタイトルはないほど気に入りました。

そして……

読み上げ5(1分34秒・アバターボイス VOICEVOX:雨晴はう)

かつての音楽仲間に連絡をとった理由は「アレンジ」だったはずですが、Chapeauちゃんは自力でアレンジを見事に仕上げてくれました。才能があるんだから、やればできるんです。

ボーカルも、hoyoyoちゃんので、素敵な歌声のボーカリストさんが見つかりました。ただ、シングルバージョンは、収録時期の関係で間に合わなかったため、AIボーカル「東北きりたん」の歌声でリリースします。ボーカリストさんには、今後リリースするアルバムで歌ってもらう予定になっています。楽しみにお待ちください。わたしもとても楽しみです!

さらに、Metronome CoreでChapeauちゃんとユニットを組んだゆうみさんが、わたしたちのデビューシングルのマスタリングを担当してくれることになったのです。この経緯については、別記事「Last Monday」で詳しく触れています。

そしてなにより、めろうの~つの活動そのものも、この曲の誕生を契機として一気に動き始めたわけです。何かをやりたいとは思いつつも、あまり動いていなかったプロジェクトは、この曲の制作開始とともに実質的にスタートしました。この曲が生まれなければ、活動開始はずっと後だったか、あるいは活動自体していなかったかもしれません。

これらを「災い転じて福となす」と呼ばずして、何と呼ぶのでしょうか(笑)。

こうして、わたしたちの1曲目となる「Little my me」と同時に「めろうの~つ」も誕生したのです。

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